個人遺伝情報取扱協議会について

1. 個人遺伝情報利用の意義と可能性

 ヒト・ゲノムの解読を契機に、遺伝的素因と疾患リスクや生活習慣との関連性が活発に研究されており、個人遺伝情報の適切な利用は、我々の社会が直面する様々な課題の解決に資する可能性を有するものと考えられる。特に、科学的な根拠に基づいた健康増進サービスの健全な発展によって、増大する国民医療費の歯止めに寄与することも期待される。

 一方、遺伝情報は、基本的に生涯変わることのない究極の個人情報であるだけでなく、血縁者間で一部共有される情報でもあり、万一、情報漏えい等が発生した場合は、深刻な問題を惹起することを忘れてはならない。

 個人遺伝情報は、「厳格な保護」の下で、「適切な利用」を図ることが、健康で豊かな長寿社会を実現するための根本的な条件である。

2. 我々に求められる姿勢

 我々、個人遺伝情報を取扱う様々な分野の様々な者は、厳格な保護の下に個人遺伝情報を適切に利用することがもたらす大きな可能性に対して、その価値観を共有し、ここに集う。

 我々は、個人遺伝情報を利用したサービスを提供するに当たり、各種ルールを遵守し、情報を積極的に開示して透明性を高め、消費者にその意味を十分に説明した上で理解と同意を得て、消費者の信頼の下に事業を実施することが重要であると考える。

 我々個人遺伝情報取扱協議会に参加する者は、少子高齢化時代におけるQOL (生活の質) の向上を求める社会ニーズに真摯に対応し、消費者の信頼の上に成り立つ事業であるという使命感を胸に、日々邁進する覚悟である。

3. 消費者の皆様へ

 遺伝子検査の実施コストの低下によって、簡易な実施が可能になっても、安易な実施であってはならない。遺伝情報の特質を考慮すれば、厳格な情報の保護に加えて、我々の適切な倫理観が求められる。

 事業者が提供する個人遺伝情報関連のサービスを利用するか否かは、最終的には消費者の判断に委ねざるを得ない。したがって、科学的な妥協性や倫理的な配慮に欠けた、個人の興味のみに訴える個人遺伝情報利用ビジネスを安易に受け入れることなく、その良し悪しをしっかり見分けていただくよう切に希望する。

右宣言する。
平成18年 4月 4日
個人遺伝情報取扱協議会